inacoの秋
a0090609_11171958.jpg秋は短い(と思う)。
残暑で蒸し暑かったり、台風が来たり、そして気が付けば北風が冷たくなって、いつの間にかコートを着ていたりする。秋は、空が青く空気が乾いていて、シャツ1枚で過ごすのがすがすがしいくらいが理想。

連休は、大雨が嘘のように去り、素晴らしい秋晴れだった。まさに理想の秋。そんな秋を満喫すべく向かった先は、inaco。途中、富士山の麓を通ると、青空を背景に白く穂が開き始めたススキが風に揺れていた。真近に見る富士山の山裾は、赤や黄色に紅葉し、山の頂には早くも雪が冠っていた。

inacoは秋が一番いい。稲を収穫し、干している光景を目にするとほっとする。農繁期を終え、収穫した食物を感謝して味わい、冬支度をするまでの束の間の時間。安堵と至福のとき。
20年以上前、小学生だった私が初めてinacoに来た時には、そんな風には感じなかった。山奥の何もない農村。こんなところに来るくらいなら、遊園地で遊んでいた方が何100倍も楽しいだろうに、と思っていた。
週末ごとに、荒れた土地を両親が耕し始めて、少しつづ少しづつ様々なものが実を結んできたinaco。長い年月を経て、夫と2人で訪れるようになったinacoは、仕事の疲れを癒すやすらぎの場となり、小さなわが子と訪れるinacoは、娘の目線を通してまた新しい発見の場となった。







荷物を車から降ろし、キウイ棚の下でほっと一息。体が緩む瞬間。
manaも椅子にごろんとしながら、頭上にたわわに実るキウイを眺めていた。来月には収穫できるかな?
inacoのキウイは固くて甘くないから、穫った後、林檎と一緒に袋に入れておく。林檎からでるガスのお陰で、1週間もしない内に柔らかく甘くなって食べごろになる。ジャムにすることが多いけれど、今年はキウイ酒も作ってみようかな。

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椅子にごろごろするmanaを見て、父がハンモックを出してきれくれた。
manaは初めて見るハンモック。ブランコだと思ったかな?興味深そうにしているから、乗せてみると、大泣きだった・・・・。

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その後は、水遊びをしたり、畑で実っている野菜を穫るのを眺めていたり(邪魔していたり)。
お部屋の中では、私が小さい頃に読んでいた絵本をぱらぱらとめくっていた。2階にあがり、音楽が好きなmanaのために、何か1曲レコードでもかけようとゴソゴソと探していると・・・カワイ音楽教室のレコードを発見!
懐かしい〜。「ダンボールのロボット」をかけながら、一番楽しく歌っていたのは私・・・(manaは初めての曲だものね)。

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その晩は、十六夜(いざよい)。夫が外のテーブルに、切ったススキを飾った。
manaが眠りについた頃、山の稜線から月が現れると、真っ黒だった空が一瞬にして明るくなった。人間は月のリズムで動いていると言う。眩しいくらいの月を眺めながら、心落ち着くのは、そのせいかもしれないと思った。
日本には月にまつわる様々な言葉が存在する。月に限らず、自然や季節を重んじてきた風習が言葉に現れている。それと同様に、エスキモーには雪にまつわる言葉が60以上もあるそうだ(夫談)。
そんな話をしながら、炭火で秋刀魚を焼いて新米と一緒に食べた。ああ、実りの秋に感謝!感謝!
食事を食べ終わる頃、体が冷えてきたので、家の中に入り囲炉裏に火を灯した。この秋初めての囲炉裏。

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次の日は、最後に残った田んぼの稲刈り。穂が垂れた稲の傍には、鮮やかな朱色の彼岸花が咲いていた。
田んぼでは、父が小さな稲刈り機を押す後を、夫が稲束を拾いながら歩いていた。今でこそ、機械を使うようになったけれど、田んぼを始めた当初は全て手作業だった。母の実家の蔵に眠っていた木製の足踏み脱穀機や、唐箕(とうみ)を持ってきて使っていた。博物館に収まっているような農機具を使う様子を、面白がって近隣の農家の人たちが覗きにきていたっけ。
刈った稲を竿に干せば、今年の稲刈りの終了。

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みんなが片づけをする間、manaは周囲をお散歩。
川べりに実っていた姫林檎を穫ってあげると、手に取ってうれしそうにしていた。鴨小屋では、扉の前に立って「あ・け・て!あ・け・て!」と言うので、扉を開けると、中を覗き込んで「があー!があー!」と連呼していた。

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家の前に戻ってくると、吊るされたハンモックと戯れていた。(乗るのは恐いんだよね)

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manaはinacoで見るもの、手にするもの、全てが新鮮で楽しくて仕方ない様子。
何でも触ってみて、その感触を確かめてみて、色々なことを発見している。泥だらけになって確かめている様子を眺めながら、私も色々なことに気付く。今まで気付かなかった自然の様子や、こどもが遊びから産み出す規則性だったり。見ていて面白い。
普段の生活とは別に、こうして自然や食べ物ができる様子を見たり、体験することができるのは、manaにとっては恵まれた環境だと思う。その目で見て、その手で触って、色々なことを感じとってくれたらと思う。manaは何を思い、何を感じるのか、私も興味深い。

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by ma-n-na | 2006-10-10 22:58 | inaco
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愛するむすめのmanaとsimpleなくらし・・・・たいせつにしたいこと。
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