ちいさいおうち
a0090609_2204354.jpg一番好きな絵本は?と聞かれたら、即答できる絵本がある。
バージニア・リー・バートンの『ちいさいおうち』。

小さい頃からこの絵本が大好きで、何度も何度も繰り返し読んでいた。この絵本のお話も好きだったし、絵も好きだった。その後、家そのものが好きになったのは、この絵本がきっかけだったのかもしれない。小学生の低学年くらいの頃からだったと思う、新聞に入ってくる住宅メーカーの折り込みチラシを眺めては、「こういう外観じゃなくて、間取りもこういうんじゃなくて、こども部屋はこういうのがいいな・・・・」などと考えていた。
だから、将来建築家になって、自分で自分のお家を建てれたら、どんなに素敵なことだろうと思っていた。高校に入って大学進学を目指す時、建築学科に行くために勉強したけれど、いかんせん、数学のセンスに見放されていた。建築家になる夢は諦めて、もともと美術が好きだったから、気を取り直して学芸員になろうと、大学では哲学科の美学美術史を先攻した。
でも、学芸員になるのは建築家になることよりも、ある意味容易ではない。狭き門の現実を知り、その夢も諦めて、大学卒業後就職してみたものの、やっぱり“家”への想いは強かった。家そのものは作れなくても、室内を飾ることはできるかもしれない・・・最終的には、インテリアコーディネーターの道を選んだ。










幼ない頃繰り返し読んでいた絵本。
絵本の角はなくなって、表紙は手垢で汚れていた。絵本を裏返すと、裏側には亡くなった母の名前が刻まれていた。懐かしくて、涙がでそうだった。
パラパラとページをめくると、一番最後のページが破れていた。物心ついた時から、ずっとそうだったと思う。まだ絵本を丁寧に扱えない頃から、手にしていて破ってしまったのかもしれない。
家には、まなのために買ってあった『ちいさいおうち』があったので、新品の絵本を見て、長らく知ることのなかった最後の絵を確認することができた。

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それにしても、古いものと新しいものではずいぶんと違う。
まず、絵本の開き方が右開きから左開きに変わっていた。それに伴って、縦書きだったものが横書きになっている。文字も明朝体からゴシックへ。著者の名前の表記も、ひらがなからカタカナに変わっていた。
そして何より変わっていたのは、印刷の発色。年月が経って色褪せているものの、古いものの方が色に深みがあり、鮮かだった。
manaがもう少し大きくなったら、この絵本を読み聞かせてあげたいと思う。まずは、新しい方の絵本を。絵本が大切に扱えるようになったら、母の名前が刻まれた『ちいさいおうち』を譲ってあげたい。

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by ma-n-na | 2006-10-13 22:43 | ちいさいおうち
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愛するむすめのmanaとsimpleなくらし・・・・たいせつにしたいこと。
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