言葉遊び
a0090609_19485212.jpgこどもの言語の発達は、興味深い。短い音から始まった言葉は、1語の単語になり、主語と動詞の2語になり、助詞が加わって文章になり、さらに「クセ」が現れて・・・という風に、段階を追って、言語になっていく様子が面白い。

manaは言葉に対する興味があるようだし、おしゃべり好きなので、最近はよく絵本を使って言葉遊びをしている。
この時に使う絵本は、読み物ではなくて絵柄だけ大きく描かれたものを選ぶ。まずは私が絵本に書かれている絵を指して、その名前をテンポよく読み上げる。スピード感があるのでそれについていこうと、manaは目と耳でそれを一所懸命捉えようとする。次に、読み上げた時と同じテンポで、「これ、なあに?」とmanaに尋ねる。
面白いのが、manaが私のスピードと同じように答えようとすること。言葉になってなくてくても、反射神経で言葉がでてくるのだ。脳が反応している、そう思う瞬間。このスピード感は、manaにとっても刺激的らしい。

この遊びでお気に入りは、エリック・カールの「かずのほん 1・2・3 どうぶつえんへ」。「どうぶつ、も、いっかい!」と絵本を持ってきては、言葉遊びのお誘い。




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「どうぶつカード始め。ぞう!かば!きりん!らいおん!わに!あざらし!くま!さる!へび!とり!」とテンポよく読み上げた後に、manaに「これ、なあに?」と聞く。
「これ、なあに?」「ぞうさんっ!」、「これ、なあに?」「かばしゃんっ!」、「これ、なあに?」「きりんさんっ!」、「これ、なあに?」「がおー!」、「これ、なあに?」「ざぶっ!」(←焦って答えるものの言葉の意味になっていない)、「これ、なあに?」「あたらしっ!」(←「新しい」じゃなくてアザラシよ)。
これを繰り返していくと、全部の動物の名前がすっとでてくるようになった。単語を覚えるのに、効果を発揮している言葉遊び。

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エリック・カールの絵本と言えば、わが家にはエリック・カールの絵本が数冊ある。
manaが一番最初に興味を示したのが「はらぺこあおむし」、次に「だんまりこおろぎ」。しかけ絵本や音がなる絵本が分かりやすいらしく、他の読み物の本はまだまだといった感じだったのが、最近はすこしづつ興味がでてきた様子。
最近のお気に入りが「パパ、お月さまとって!」。お話の内容も絵も気に入って、出版当初に買った絵本。聞いてくれるようになって、うれしい。
manaが絵本の中のお月さまを指さして、「おつきさん、とって!」と言うので、とる振りをしてmanaに渡すと、それを口にパクリとして「すっぱい!」と顔をしかめる。夕方、空に浮かぶお月さまを見ては、「パパ、とって!」と言う。
こどもの頭って、やわらかいなと思う。


最近のmanaのおしゃべりについて。
「○○ねえ〜」と、ちょっとお姉さんっぽいクチグセを使う。「ままねえ〜、めがね、とっしゃっしゃの(めがね、取っちゃったの)」「ぱぱねえ〜、すーぷ」(夫がスープを飲んでいる姿が好きらしい)、「まなねえ〜、ぷうって」(有難迷惑なことに、おならをしたことを申告している)。

“○○がいい”と特定のものを選ぶ言い方をする。
“こっちがいい”とか、“くまちゃんがいい”など、好きなものを指して言う時はいいのだけど、ダメなことに対しても使う。「mana、靴下はくよ」と声を掛けると、「“だめ”がいい」と返事をする。ややこしいなあ。

“誘う”ことを覚えた。
「ととろ、みる?」と首を傾げながら、語尾を上げて聞く。へえ、立派な疑問形なのね、と感心しながら「トトロはおしまいだよ」と答えると、「ととろ、みる?」とまたしても、首を傾げながら聞く。再度「だめだよ、トトロはおしまい」と言っても、めげずに「ととろ、みる?」としつこいmana。なかなか敵も手ごわい。それでも負けずに「トロロはおしまい、また今度」と言うと、「とろろ〜!おしまいだあ〜!!」と落胆しながら、大声で叫んでる。(やれやれ)
他にも、アニキが置いているリビングに行きたい時に「あにき、いく?」と聞いたり、花の図鑑を見たい時「おはな、みる?」と誘うようになった。


ある時、雪だるまが描かれている看板を見て、manaが「ゆきや、こわいっ」と言った。(「雪やこんこん」の歌のイメージがあるらしく、雪だるまは「ゆきや」と呼んでいる)
それを聞いた夫が、落語の一説を持ち出して、「まんじゅう、こわい!」と言った。manaはしばらく考えている風にした後に、もう一度「ゆきや、こわいっ!」と言った。夫が再度「まんじゅう、こわい!」、manaが続けて「ゆきや、こわいっ!」。その後しばらく、「ゆきや、こわいっ!」「まんじゅう、こわい!」の掛け合いをしていた。言葉の応酬で遊ぶということを覚えたらしい。

またある時、manaが何かを指さして、「こっち!こっち!」としきりに言っていた。すぐに手が空かなくて待たせておく間、「こっち!こっち!」と言い続けるmana。「こっち!こっち!」と言っているうちに、「こっち!こっち!・・・こっち、こっち・・・・・こち、こち・・・・こちこちこっち、おとけ〜さん♪」と、時計の歌に発展していったのには、驚いた。


言葉の発達について夫と話をしていた時に、言葉を直接的に音として取り入れることのできるこの時期を大切にしてあげたいという意見で一致した。この時期は耳で聞いたものをそのまま記憶するので、きちんとした言葉を使うこと、できることなら、きれいな日本語に触れさせてあげたい、そう思っている。
私は小学生にあがる前、母から毎晩、宮沢賢治の「アメニモマケズ」を音読させられた経験がある。言葉も読めないし、意味もわからないから、母が言う言葉をそのまま音としてそのまま記憶した。それを夫に言ったら、夫もそれに近い経験があるらしい。
その時は、なんとも思わなかったけれど、日本語の美しい響き、テンポなどに親しむいい機会だったのだと思う。

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manaにも、日本語の美しさやきれいなリズムを知ってもらうことができたらと思い、谷川俊太郎さんの『みみをすます』という詩集を買った。
ひらがなだけの長編詩集。声に出して読みながら、耳に心地よく言葉の音が響く。短いまるみを帯びたひらがなが、音符のようにリムズを形成していく。その響きの美しさに、詩の世界に引き込まれていった。
音の美しさの次に、言葉の内容が頭の中で形成される。その風景を、色を、匂いを、感触を。しばし、頭の中に様々な情景を思い浮かべる。このイメージの形成には、経験によるところが大きいと思う。幼ないこどもと、経験豊富な大人の想像する世界は異なる。ふくらみのある世界が形成できるよう、manaには色々なものを見せてあげたい、色々な経験をさせてあげたいと思う。

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manaに「みみをすます」を読んできかせてみた。絵本と違って、絵がないから、あまり興味はないらしい。他所を向いて、遊んでいた。まだ早かったかな?と思いながら、読むのをやめようとしたら、私が読んだ詩の一文をそのまま、manaが繰り返した。
音を聞いている、よしよし。「みみをすます」は長編詩だから、最初は「くらむぼんはわらったよ」あたりがいいのかもしれない。
写真のmanaは、挿絵のおにいちゃんの絵がこわくて、眉間にしわをよせている。

最後に、10年程前バレエの公演を見に行った時、その会場で谷川俊太郎さんをお見かけした。小学生の教科書に載っていた小説や詩の中でも、とりわけ大好きだった谷川さんが目の前にいる、そう思うだけでドキドキした。
想像していたよりもずっと小柄で、一見するとやさしいおじいちゃんといった風貌。でも颯爽と横を通り過ぎていった谷川さんは、足取りもその目なざしも驚く程力強かった。力がみなぎっている、そう思った。
谷川さんは小学生などを対象に、言葉遊びの講習会をしているというニュースをみたことがある。manaが小学生になるまで、続けてほしいなと思う。そして、願わくば参加させてあげたい。
by ma-n-na | 2007-03-01 21:50 | mana
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愛するむすめのmanaとsimpleなくらし・・・・たいせつにしたいこと。
by ma-n-na
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